2005年 10月 31日, さよなら、大邱線・旧線…(1)

最近韓国では鉄道路線の電化・移設などの改良が盛り込んで行われています。
この大邱線もその一つで、大邱広域市(日本の府)の都市計画によってもっと郊外への移設が決定されたわけです。

移設前

移設1段階

移設2段階

大邱線の切り替えは上の図の通り、今年と来年の2段階に分けて行われます。

今回に行われるのは本線の切り替えで、京釜線の顧母〜慶山間に佳川駅を新設し、
東大邱〜佳川間は函館本線・桑園〜札幌のような3線区間にして、
また佳川〜清泉間に新線を敷設して(新線上には琴江駅が新しく開業)清泉で既存線に合流します。
そして工事中の、空港と空軍基地への新しい専用線(K-2線)と交差する半夜月〜清泉間が今回廃線になります。

しかし存続する東大邱〜半夜月間もあくまでも大邱空港と空軍基地への入替関係で暫定的に残るのであり、
旅客扱いが中断され、定期列車は旅客・貨物ともになくなり、東村と半夜月の両駅は「配置簡易駅」に格下され
昼間に限って空港と基地への入替関係の近距離列車が細々と運行されるだけになります。
(夜間には列車運行無し、そして駅舎は無人で鎖錠)

続いて来年にK-2線が開業になると残存した東大邱〜半夜月間が廃線され、
大邱線の切り替えは完了になります。

と、いうわけで東大邱〜半夜月間定期列車運行中止・半夜月〜清泉間廃線を控えた
10月31日に電撃的に訪ねてきました。

東大邱駅

京釜線の一大ジャンクション、東大邱駅。1969年に開業し、今年で開業36周年になります。
左の部分は従来の駅舎をリモデリングした部分で、右の部分は京釜高速線開業とともに増築された部分です。
この駅が分岐駅として残るのも後わずか一年…

地下鉄東大邱駅

東大邱駅のすぐそばにある地下鉄・東大邱駅。利用客はそこそこ、というぐらいでしょうか。

Rising Palgong

ホームへの階段に設置されている作品、「イロソヌンパルゴン(起こる八公)」。
1997年の開業当時に設置されたもので、陶芸家・金祺祚氏の作品です。

無賃券発売機

大邱地下鉄は出札業務を無人化させ、無賃券もこのような自動発券機から出るようになっています。
出札業務の無人化はいいと思うが、なんの確認もなくだれでも発券できるようになってしまった無賃券が
悪用される確率があるのではないか…

2号線開業の知らせ

2週間ぐらい先に開業した地下鉄2号線の案内知らせ。
1号線との交差駅の半夜堂駅は出口がなんと23番までありますが、実際の出口は11箇所です。
(@〜D、K〜M、21〜23の11箇所…飛び番で空く番号があるのは連結されている
地下アーケードの出口の番号と統合されているからです)

東大邱〜東村は地下鉄でたった3区間で、あっという間に地下鉄・東村駅に着きました。
地下鉄・東村駅から東村駅までは2〜3分ぐらい歩けば辿れます。

東村駅

16時40分頃、無事に到着した…とは思われますが、なにか変ですね…?

定期列車運行中止の知らせ

駅舎の入口のそばには定期列車運行中止と旅客扱い中止の知らせが掲示されていました。

駅舎廃鎖中?!

というか、なんと建築事務所の職員たちが来てすでに駅舎の入口を塞がっていたんです!
をぃをぃ、つーかまだ客扱いする列車がまだ2本も残ってますよ?!


慌てて作業中の職員さんに2107レに乗りに来たんですが、と質問してみたら
構内側は塞ぎませんので、そちらへ、と案内され、さっそく構内側から待合室に入ってみました。

塞がれた入口・窓口

塞がれたのはドアだけではなく、なんと出札窓口も塞がれていました。
入口が塞がれた待合室に入って窓口にキップを要求するアホはないと思われますけどね。

もはや無意味な時刻表・運賃表

東村駅の時刻表・運賃表。時刻表は定期列車の消滅によって、そして運賃表は線路切り替えによって無用の長物になります。

待合室全景

入口・窓口の向かい側。もはやこのベンチに座って列車を待つ客はありません。

駅舎の構内側

待合室から出て、ホームに出てみることにしました。
この東村駅タイプの駅舎は日本植民地時代に大量に建てられ、
いまだにかなり残っています。隣の半夜月駅も大同小異な駅舎です。

キロポスト

駅舎のすぐ前のホームにある、東大邱起点3.2kmを示す距離計(キロポスト)。
ちなみに実際営業距離は東大邱から3.1kmになっています。

駅名標

駅名標の英文表記はいまだに旧式表記のまま残っていました。
ちなみに現在の方式ではDongchonになります。

ホームのベンチ

後2本でもう乗客が座ることがなくなるホームのベンチ。

構内・半夜月方面

半夜月方面の構内全景です。すぐ検沙第1踏切があります。
なお、東村駅と半夜月駅の間には空軍基地への専用線である
第2空軍線が分岐する新平分岐が東大邱起点5.6kmに存在します。

構内・東大邱方面

東大邱方面の構内全景です。すぐ立石第4踏切があります。
このあたりは法定洞が「検沙洞」と「立石洞」になっておりますが、
行政洞はこの2ヵ洞を合わせて「東村洞」となっています。

1725レ通過!

17:06、東大邱発・蔚山行きの1725レが2分遅れて通過しました。
しかし、下り列車なのになぜ上本線を通過…

8分後の17:14には東大邱発・榮州行きの3286レがなぜかまた上本線を通過しました。
というか、3286レはなんと機関車+貨車1輌という2輌編成のミニ列車でした。

*.実は、東村駅は駅舎側から1番線が貨物積下線、2番線が側線、3番線が本線、
4番線が副本線、5・6・7番線がまた側線で、そして専用線@の飛行場線の順です。
専用線Aの第2空軍線は上記の新平分岐から分岐します。
つまり、1725レと3286レの上り線(?)通過は至って正常ということです。

そうしているうちに駅員さんに誘われ、駅事務室でテキトーにくつろぎました。
残念ながら乗車券発券業務は銀行業務終了時間の関係で15時30分ぐらいに終了したとのことでした。
というか、職員さんといろいろ話している間にも鉄ヲタと思われる人々が何人やってきて
写真を撮って帰りましたが、その中の誰もいざ列車を利用しようとはしてなかったんです。
これは正しい態度でしょうか。短い距離だし、運賃もせいぜい120円ぐらいで負担もあまり大きくないので
廃止の直前には乗ってみるのが鉄ヲタとしてすべき行為では?

構内踏切

さて、2107レの時間が近くなり事務室のみなさんに適当に謝儀してホームに出ました。
一人きりで乗ることになろうという予想を裏腹に、
案外(私以外に)三人の乗客が列車を待っていました。

下り線側

下本線側。手前から4番線(下本線)、5番線(留置線でしょうか?)、
そしてカーブしていくのが飛行場線(大邱空港への専用線)です。

上り線側

上本線側。手前から3番線(上本線)、2番線(留置線)、1番線(貨物積下線)の順。

駅舎・夜景

駅舎の夜景ですが、明日からは夜間には無人の上、列車の運行もないので
この夜景は見納めになります。多分。

というか、2107レがなかなか来ません。確か少し前に上り列車が通過したが
やはりそいつが折り返して2107レとして来るのでしょうか…

そういえば東大邱まで乗ってきた59レも東大邱到着が3分も遅れたんですが、
この2107レはなんと9分も送れて東村にやってきました。ヽ(`Д´)ノウワァァァァァァァァン

とにかく、東村駅で客扱いをする最後の下り列車の2107レは4人を乗客を追加に
乗せて東村駅を後ろにしました。東村駅での降車は一人も居ませんでした…

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