2004年ともえの旅(ウィーン・マリボール)…雪のウィーンにて


私の海外へのオペラ旅行2回目は、急遽決まったマリボールでの『蝶々夫人』のために計画しました。
もちろん、お目当ては蝶々さんを歌う岡崎他加子さんです。
しかも、大胆なことに、今回は主人を置いて私ひとり…のはずだったのですが、幸い一緒に行きたいという方が3名現れて、女ばかり4人の旅になりました。

【行程】
2月24日  関空出発、夕方ウィーン着。
2月27日  ウィーンからグラーツ(オーストリア航空国内便)、ハイヤーでスロヴェニアのマリボールまで。
2月29日  再びウィーンへ戻り1泊。
3月1日   午後早くウィーン発、翌朝関空着。

昨年のイタリア旅行の成功に味をしめて、今回も同行者共々、自由な個人旅行を選択しました。
今では昔と違って、個人で買える格安航空券や海外ホテルのオンライン予約サイトがありますから、簡単です。
シュターツオーパーで『トゥーランドット』も見るために、オペラのチケットも予約しました。これは直前だったため、国立劇場連盟のtickt culturallでは確保できず、現地のチケット屋さんに手配。


【第1日目】
例によって、出発までは仕事の片付けにおわれて忙しかった上、主人がひいた風邪までうつされて、なんとか熱も下がったもののコンディションは最悪でした。深夜までパッキングにかかり、機内ではほとんど眠れなかった上、寒いと聞いていたのでしっかり着込んで行ったら、関空でも機内でも暑くて暑くて・・・たぶん、身体が限界だ〜と訴えていたのでしょうね。飛行機から降り立った時点でめまいがし、これはまずいと思うほど。風邪がぶり返して熱が上がっていたようです。
空港の税関を出てすぐ左側のカウンターでタクシーを申込み、とにかくホテルに行き、チェックイン。タクシー代は4人分の荷物とチップ込みで40ユーロ。最初に値段を決めてから乗るので安心です。
ホテルは足の便の良いカール教会の南側のホテルで、オペラ座まで徒歩数分の距離。
ところが、ホテルに着いて、まずは26日のオペラのチケットが届いているか確認したところ、届いていないと言われて真っ青・・・。まずは各自ホテルの部屋に落ち着き、チケット屋さんに連絡を取って
オフィスにあることだけは確認し、私はその日はそのまま寝込むことに決めました。

ホテルの部屋から前の通りを見下ろした  
ところ。 日も暮れようとする頃。
まだ雪が残っていて、寒い。
ウィーンの街のアパートらしき建物。
日本の真四角のコンクリートとは違う
味わいがありますね。


【第2日目】
さて、翌朝のホテルの朝食はブッフェ・スタイル。室数数十の小ぶりのホテルですが、朝からシャンパンを冷やして供しているので驚きました。ウィーンでは、朝だろうが昼間だろうがワインやシャンパンを飲んでいる人が多くて、下戸の私は指をくわえているしかありません。温かい飲み物はコーヒーか紅茶か最初に聞いてポットで持ってきてくれます。お料理の品数も充分で、特にハム、ソーセージの類がおいしかったです。パンも数種類用意されていて果物も豊富、たっぷり食べておくとお昼がいらないくらいです。
さて、お昼前になってもチケットが届かないので再び連絡を取ってみたら、昨日からの雪で配達が大幅に遅れているとのこと。オペラは翌日の予定なので心配で、結局、少し休んで、午後から自分でオフィスに取りに行くことにします。
折りしもまた雪が降り始める中、ホテルから北上してオペラ座からシュテファン大寺院
までケルントナー通りを歩いていくと、まあ、チョコレートを売ってるお店がたくさんあること! 
意外なことに、日本人観光客がやたらと多く、ケルントナー通りではずいぶんたくさん見かけました。ちょうど大学の後期の試験が終わった頃だからでしょうか。
雪は中心街では道路脇の方にちょこっと残っているくらいでしたが、屋根から落ちてくる雪が危ないです。ふらふらとあちこちのぞきながら歩いていき、カフェで休んだりしていると結構時間がかかってしまって、オフィスの閉まる時間までに行き着けるかどうか不安になってきました(寄り道してるのが問題かも・・・)。また雪が降ってくるし、体調も良くないので、大寺院前に馬車が
たむろしてたのを幸い、1台調達。チケットを取りに行ってホテルまでつれて帰ってもらうことにしました。白いお馬の二頭立て馬車で、中には暖房はないけど(当たり前ですが)、ひざ掛け毛布がありました。雪のウィーンをひとり馬車で行くのも、なかなかすてきです。ちょっとアラベラ気分でご機嫌。(^^)
無事にチケットを確保してホテルに帰る途中、シュテファン大聖堂の晩鐘が石畳の街に荘厳に響いていたのが印象的でした。ぐゎゎわ〜ん、ぐゎゎわ〜んという、重さの感じられる音でした。
この日はスーパーで買ってきたミルクとチョコレートと果物をつまんで、熱めのお風呂に入って寝ました。う〜ん、主食がチョコレートというのも、なかなかのものです。(^^;) ホテルの辻から表通りに出てすぐのところに、ドイツ系スーパーBILLAがあったので、とても便利。ミルクは日本のものよりずっとおいしいです。サラッとしてるのに濃い感じ。

【第3日目】
2月26日。今日はオペラ座で『トゥーランドット』

ちょっと早めに出かけて先にお夕食をすることになり、この日は4人一緒にホテルを出ます。相変わらず雪の中、オペラ座へ行く途中にあるカールス教会の近くの小さなレストランへ。

雪のちらつく中、メルヘンチックなレストラン。

6時にもならないうちから食事をしようとすると案外難しいのですが、ここは学生さんも多く、早くから食べさせてくれるようです。お魚のフライやサラダを取って、分けっこして食べたのですが、量が半端じゃないです。早々にパスして、アップフェル・シュトゥルーデル(ウィーン風のあったかいアップルパイ)とメランジュに。メランジュは泡立てたミルクをコーヒーに加えた物。食事を終えると外は吹雪になっていました。(^^;)
カールスプラッツの地下道を通ってオペラ座前へ。

オペラ座に行くと、まずケルントナー通り側のお土産物屋さん『アルカディア』へ。音楽関係のお土産やCDがあります。
そしていよいよ、オペラ座へ。一歩入ったとたんにその威容に圧倒されそうです。

シュターツ・オーパー(オペラ座)正面の 
大階段を上がったところ。
さすがに風格のある内装で、歴史を
感じます。
3つあるロビーの中の左手側のロビー
へ入る扉付近。中で飲み物や軽食が売 
られていました。
休憩時間中は人でいっぱいで、飲み物を  
手にした男女が歓談しています。
ここは劇場内の「ティーサロン」、
つまりカフェなんだそうです。
こんなところでお茶してみたい!


大階段を少し上がったところででチケットを見せて入場します。
私たち4人の席は全部離れ離れでしたが、私は Mittelloge (ロイヤルボックスみたいなところ)でした。専用のクロークがあり、フロックコート姿の係員にコートや荷物を預けるとチップ込みで10ユーロくらいです。
シュターツオーパーの『トゥーランドット』は、とてもきれいな舞台でした。
シュナウトのトゥーランドット姫は、ちょっと金属質の高音が気になって、あまり好きな声ではないのですが、それでも大変な力があります。
カラフのボータも意外と良かったです。見かけはやっぱりコロンとしてるけど、声の響きの質はいいです。
リューと三大臣がちょっと素っ気なかったかなぁ・・・演出のせいかもしれないけど。
衣装がきらびやか(キンキラキンの仮面付き)でとても面白かったです。
『トゥーランドット』はエキゾチックできらびやかなスペクタクルが大好きなので、まずまず満足でした。
たぶん、この公演は取り立てて人気の集中するような物ではないですが、それでもこれだけの質を維持しているというのが、やはりウィーンですね。
劇場の音響は、思っていたよりデッドで、ふぅんという感じ。でも、この環境でオペラを聴くというのは、とても素敵な経験でした。
幕間は3つのロビーで過ごせます。飲み物や絵葉書なども売っています。ここの売店は『カフェ・ゲルストナー』の出店のようです。このお店は美術史美術館にも支店があるそうです。
トイレはお掃除おばさんがいて、その人にチップを渡してから利用します。チップ用の小銭を用意していないと大変でしょうね。ここでまた知人にばったり出会い、カレーラスのチャリティーコンサート目当てで来たと聞き、なるほど劇場内に日本人が多かったわけだと納得。日本のカレーラス白血病基金活動は活発ですから。

初めてのオペラ座に酔い、降りしきる雪の中、ホテルまで歩いて帰りました。こういう時、ホテルが近いととても便利です。
翌日はグラーツ経由でマリボールへの旅です。



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