ともえのイタリア旅行(2003年夏)…第3日目
フィレンツェ



ヴェローナでは、またも朝昼兼用のブランチをホテルのレストランのビュッフェで。
オペラを見に行くと夜更かしになってしまうので、翌日はゆっくり起きて1日2食になってしまいます。
ホテル・アッカデミアはカフェも果物もおいしいけど、自家製ヨーグルトもお薦め。とてもなめらかで風味の良いヨーグルトでした。テラス席もあるけれど、冷房のある室内から出る気がしません。
お昼頃ホテルを出て高速道路で一路フィレンツェへ。ボローニャ近辺の山岳地帯を越えて行くと、さすがに下界よりは涼しいのですが、日差しの強さは相変わらず強烈です。ヴェローナからボローニャにかけて、ブドウ畑が多く、ワインの生産地のようです。このあたりの農家は家のすぐ脇に立派なクレーンを備え付けているところが多く、聞くとワインの製造のためだとか。樽の移動などに使うそうです。
ところで、トンネルも多い道をたどっていくと、何度も奇妙な標識に出会います。まるで狼みたいで振り向いて火を吐いている絵です。場所も山中ですし、これはきっと夜になると狼が出没するので、「狼注意」の標識だと主人に話すと、まさかと言います。でも、日本でも「鹿に注意」とか「動物に注意」とかいう標識があるのですから、「狼注意」があってもいいではないかと、大激論。後でわかったことですが、その狼っぽい怪獣は、AGIPという石油会社のロゴだったのです。要するに、「もうすぐAGIPのガソリンスタンドがありますよ」という標識だったのですね。アハハ・・・(^^;)

約2時間半でフィレンツェの HOTEL EXCELSIORへ到着。アルノ河沿いの落ち着いた感じのホテルです。ここは、貴族の館を改装した由緒あるホテルだそうで、すぐ近くに教会があって、鐘の音が聞こえます。ミラノの WESTIN PALACE HOTEL もそうですが、床も柱もふんだんに大理石が使われています。これは夏は涼しくていいけど、冬はさぞかし冷えるだろうなと思いました。ロビーとカフェを仕切る壁にもステンドグラスの広い窓が取られていて、なるほど芸術的価値のあるお屋敷をこういう形で残しているのかと納得。

少しお部屋で休憩しているうちに、岡崎様ご夫婦が訪ねてきてくださって、一緒に街へ繰り出しました。
しかし、もう焼け付くような日差しにぐったりして、さっと市街をめぐるだけ。ウフィツィ美術館も宮殿もドゥオーモも並んでいる人の列を横目に素通り。ぐるりと街を一周してもそれほど時間はかからないけれど、美術建築関係に興味があるとどこをとっても1日がかりではすまないくらい面白そうなところがいっぱい。でも、すべてまたの機会に廻します。どこへ行っても観光客でいっぱいです。
お店をのぞいていくとまるでお姫様のようなベビードレスが! とても気に入ったのがあって、2着ほど孫のために買いました。ちゃんとチュールでスカート膨らませて、身頃には手の込んだ刺繍が入っているのです。こういう正装用の1歳前後向けのベビードレスは良い物って日本ではほとんど売っていないですね。使う場が少ないからかしら。
カフェに入ったりお店を覗いたりしながらゆっくりと歩いていき、
小さな広場のイノシシの像を撫でて(お金がたまるのですって)、最後にポンテヴェッキオへ。このヴェッキオ橋は橋の両側にずらりとお店が並んでいます。真ん中のあたりが少しだけ河に向かって開いていて、そこからアルノ河が見下ろせます。このあたりのお店は金細工や宝石関係のお店が多いです。ポンテヴェッキオはオペラ『ジャンニ・スキッキ』で有名ですね。アリア「私のお父さん」でラウレッタが結婚を許してくれないならポンテヴェッキオから身を投げて死んでしまうと歌うので、どんな橋なのか興味津々でした。身投げをするにはちょっとにぎやか過ぎるし、川の水深もそんなにないような気もしますが・・・

  
ホテルのエントランスロビー                      ポンテヴェッキオ

一旦ホテルに帰って一休みしてから夕食に出かけました。
本当はTaberna Bronzino というお店に行こうと言っていたのですが、8月はちょうどお休みで、レオノーラ(=岡崎)様が鼻でかぎ当てたレストラン、13GOBBIへ。ホテルからすぐなのもうれしかったです。急遽探したお店でしたが大当たり。
ブルスケッタも手打ちパスタもおいしいし、肉料理もいろいろ取って分けて食べ、ドルチェはチョコレートケーキ。なぜか私だけ3倍くらい大きく切ってくれました。(^^) ここは英語メニューがあるので注文しやすく、マスターがとても愛嬌者で楽しい〜
イタリアでつくづく思ったことは、トマトをはじめ、お野菜の味が日本のものとは全く違うということです。日本でも高級品種のトマトが出てきていますが、ただ甘いだけで味に深みがないのですね。品種の差か、気候風土の差か、栽培法の差か・・・
野菜嫌いの主人がブルスケッタをはじめどれも好んで食べてくれたのがうれしかったです。2時間を越えるような食事時間も日本ではなかなか家庭では実現できそうにありませんが、ワイワイ楽しく食べると消化もいいのか、驚くほどの量を食べてしまいます。体重が心配になりますが、良質のイタリア料理は思ったほどカロリーが高くないようです。もし太るとしても、人生の楽しみを取るか、スタイルの良さを取るかとなると・・・(^^;)


  
レストラン13GOBBIの厨房への壁面                  13GOBBIの客席部分


しっかり食べておしゃべりして、明日はサン・ジミニャーノで岡崎さんの『蝶々夫人』を見ます。
ホテルの部屋で聞く晩鐘はよく響いて、いかにもカトリックの国へ来たという気分がします。


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