第二幕:炎のハプニング------火が消えない
火がついたら大変だけど、吹いても消えないろうそくというのもやっかいなものです。
●2000年の新国立劇場の『トスカ』では、スカルピア刺殺後、トスカがろうそくを吹き消すシーンで 林康子さんが一生懸命吹いているのに・・・これがなかなか消えない! かなり厳かなシーンなのに気を削がれてしまいます。 表キャストのシルヴィ・ヴァレルはどうするのかと思ってたら・・・ 指でつまんで消しているではないですか! |
●スカルピアもトスカのほうへ迫っていく前にろうそくの火を消すことがありますが、1958年パリでの『トスカ』ではティト・ゴッビが白いハンカチでろうそくの芯を押さえるようにして消しています。 また、火を消す時に「ろうそく消し」を使うこともあるんですよ。 小さな金属の帽子みたいなものをかぶせるんです。 ヨーロッパの上質のろうそくはススが出にくくて非常に消えにくいそうです。 指でつまんで消すのは他のオペラでよく修道士役の男性がやっているのを見かけます。 |
●1959年サン・ディエゴでの『トスカ』。 2幕の最後にテーブルの電気式ろうそくを吹き消す時、吹いたのと逆の順に消えてしまいました。 ハイテク導入で舞台装置も複雑になってきて、プログラミングを誤るとトスカは焦らなきゃならない羽目に陥ります。 |