2004年ともえの旅(ウィーン)……ウィーンのカフェ


2月及び5月にウィーンで利用した主なカフェやレストランをまとめてみました。
雰囲気が少しでも伝わればいいのですが・・・

ウィーンのカフェでは普通、注文できるコーヒーは何種類かあります。

 メランジェ:これはカプチーノのようなもので、泡立てたミルクとコーヒーを半々に入れたもの。
 シュヴァルツァー:濃くて苦いブラックコーヒー。エスプレッソほどではないけど。モカとも言います。
 ブラウナー:少しだけミルクを入れた普通のコーヒー。日本で言うホット。
 アイン・シュペンナー:泡立てた生クリームを乗せたコーヒー。熱いのにグラスに入ってきます。「一頭立て馬車」の意。
 カフェ・フェアケルト:ミルクの方がうんと多いコーヒー。「さかさまコーヒー」の意。
 マリア・テレジア:オレンジリキュールが入ったシュヴァルツァーに生クリームが乗っています。これもグラスで供されます。
 トルキッシュ:ぐつぐつ煮たコーヒーの上澄みをカップに入れて飲みます。とても濃厚なので、大量のお砂糖を。(^^;)
 アイス・カフェ:冷たいコーヒーにアイスクリームと生クリームが乗っかった、コーヒーフロートみたいな物。

注文すると、コーヒーのほかに必ずグラスに入ったお水も一緒に、小ぶりのお盆に載せて持ってきます。カフェ以外ではお水は別に注文しなくてはいけないのが普通ですから、これは貴重ですね。
暖かい季節にはお店の外に日除けやパラソルを出していて、その下のテーブルでも食べられます。これはシャニガルテンと言います。テラス席のような物ですが、お店のお庭だけでなく、道路の歩道部分を侵略している物も多いです。
給仕は、軽いお食事やアルコール類も出すお店は男性が、カフェ・コンディトライというお菓子屋さん系のカフェは女性が主にサーヴィスしています。ケーキはガラスケースの中に置かれていることが多く、そこで選んで持ってきてもらいます。
食べ終わって帰る時、お勘定は担当の給仕を呼んでお席ですませます。
ウィーンの文化を支えてきたカフェ、ここではゆっくりと新聞や本を読んだり、友人や恋人同士のおしゃべりに花が咲いたり、ただぼんやり道行く人を眺めたりと、みんな、自分の家の居間代わりに使っているようです。
昼下りのヤウゼ(ティータイム)をケーキとコーヒーでゆったりとくつろぐのがウィーンの過ごし方です。(^^)

カフェでもお食事はできますが、レストランやワインケラーもまたすてきなところが多いです。
気楽に飲むワインは、郊外のホイリゲ(造り酒屋直営居酒屋)まで行くのも良いですが、都心のケラーでも楽しめます。
ハンガリーやボヘミア地方から輸入されたお料理がウィーンのセンスで供される物も多く、さすがハプスブルク帝国の都だった街だと感嘆します。


 
 カフェ・ムゼウム 

デコラティヴな装飾が多いウィーンの有名カフェの中では珍しい、すっきりとしたデザインです。
19世紀末のウィーン分離派の影響を受けた造りですね。当時、クリムトやシーレもよく通っていたとか。
天井から吊るされている照明が竹ヒゴで形作った和風の物なのが印象的です。
オペラ座のすぐ近く。Friedrich通り。

 
 カフェ・シュペルル

ウィーン有数の古いカフェ。すてきなアンティークの調度品がさりげなく置かれていて優雅。
明るくてあたたかい、居心地の良いカフェ。ケーキの種類も多いです。
エゴン・シーレやレハールもこのカフェの常連でした。
Gumpendorfer通り。工科大の近く。
 カフェ・シュペルルの窓際席

窓際席で本を読んだり店内の新聞を読んだりする人も多いです。
日本の喫茶店のように追い立てられることもなく、皆ゆっくりと時間を過ごしているようでした。
お店の奥にはビリヤード台もあり、ちょっと???でしたが、日本でも最近ビリヤードのあるカフェバーが流行ったこともありましたから、そういうものなのかも。
映画『恋人までの距離』に出てきてたカフェで、かつて常連客の芸術家たちによって『シュペルルの画帖』が書かれていたお店でもあります。



 カフェ・ツェントラル

ウィーンの名物カフェのひとつ。ここもお客さんには代々有名人が多かったそうです。
高い天井は優雅な曲線を描き、どっしりした円柱が支えています。
入って右側にペーター・アルテンベルクの等身大の人形が座っているのにはびっくり。
かつて常連客として入り浸っていたとか。
アムホーフ広場の南端。
筋向いにはツェントラル・コンディトライ(お菓子屋さん)があり、ケーキが買えます。


 カフェ・モーツァルト

アルベルティーナ広場に面した由緒あるカフェ。赤い日除けが目立ちます。
シャニガルテンもあり、ケーキやビール、お料理も楽しめます。
ここのモーツァルトケーキはピスターチオの風味が生きていて、とてもおいしかったです。
映画『第三の男』にも出てきてたカフェです。


 カフェ・マインル

アルベルティーナ広場を少し北に上がったところにあるカフェ。
通りをはさんで緑地があり、窓からの眺めがすがすがしいです。
店内のインテリアはロマンチックで、窓の曲線なども女性的なやさしいものです。
写真左のガラスケースに飾られているケーキを選んで持ってきてもらうこともできます。


 ハンセン (レストラン)

Boerse(旧証券取引所)の右手から地下に階段を降りていくと、広い園芸店があり、なんと、その中を突っ切って奥へ奥へと歩いてくと、不意にレストランが出現します。
お花や鉢植えに囲まれてしまった段階で、まさかと思って途中で引き返すとたどり着けません。(笑)
高い天井のアーチ、白い壁、たくさんの植物とアート。気持ちの良い空間です。
お料理は無国籍風創作料理というのでしょうか。ハーブの使い方がうまい!
ここは、生ビールもワインもあります。
土曜日夕方〜日曜日全日がお休み。
 ラートハウス・ケラーへの地下の通路

市庁舎の向かって右手の赤い日除けの下のドアから入り、地下の通路を通って行くと入り口。
もうひとつ奥の入り口もレストランで、そっちではカンツォーネのショーをやってました。


 ラートハウス・ケラー (ワインケラー)

内部はネオクラシック様式で、地下なのに天井が高く、ステンドグラスが美しいお店です。
各テーブルにお花とロウソクが置かれ、ハープの生演奏が楽しめます。
お料理は多彩で、基本的にウィーンの伝統料理。ワインで頂きます。


 ツム・ロイポルト (レストラン)

伝統的ウィーン料理のお店。
お料理は味があまり濃くなくて量はたっぷり。季節ごとにメニューが変わるそうです。
日本語のメニューがありました。
表通りの入り口からはレストランへ、横手に回ると地下のレストラン・クプファーダッハルへ入れます。
Schottentorの駅からショッテン教会の方向へ徒歩1分。


そのほかには、カフェ・オイローパのシャニガルテンやシュテファン広場のシャニガルテン、またエスプレッソ・カフェにも行きましたが写真はなし。カフェ・オイローパはフルーツを多用したパフェが豊富です。
カフェ・サヴォイやラントマン、カフェ・クライネスなどは次回のお楽しみにとっておきます。



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