ともえのイタリア旅行(2003年夏)…第7,8日目
帰国、そして旅について


いよいよ帰国の日がやってきて、朝早くにホテルをチェックアウト。
水上タクシーでヴェネチアの空港に向かいます。空港のまん前に着くのかと思ったら、桟橋は空港ビルから少し離れたところにあり、バスに乗り換えて空港へ行くようになっています。でも、ちょうどバスが出発したあとで、私たちイラチな(せっかちな)大阪人は近くに見える空港ビルまで歩く気になってしまいました。ところが、近くに見えた空港ビルですが、入口までぐるりと回って行かねばならず、荷物を抱えて酷暑のイタリアで大汗をかくハメに。その横を次のバスが追い抜いて行った時の悔しさ・・・(^^;) 後でわかったことですが、バスはかなり頻繁に出ているので、待っていればすぐ来たようです。
空港は思ったよりも混んでいましたが、それはちょうどその8月15日が聖母被昇天祭の日に当たり、イタリアのカトリック教徒にとっては復活祭やクリスマスと並ぶ重要な祭日で、バカンスのピークになっていたからです。でも、日本のお盆の帰省ラッシュほどではありません。
帰りの経路はローマ経由ですので、ヴェネチアで先に出国手続きを済ませてしまいます。空港ロビーで買ったお土産はチーズや生ハム、香水など。カフェスタンドでおいしいコーヒーも飲み納めです。ローマ空港ではまたもわずか1時間の乗り換え時間でアリタリア関空行きに。でも、今度は定刻離陸だったけど慌てることなく乗り換えられました。人間は・・・(^^;)

ところが、関空に着いた時に荷物はどこへ行ったやらという状態で、長〜〜〜い間、荷物を待って立ってたのに、係員はそっけなく届く まで3〜4日もかかるというのですよ。(- -;)人は乗れても荷物がついて来ないとアドバイスを頂いていたのでしかたがないかと諦めたものの、せいぜい 1、2日と思っていたのでがっくり。
おまけに、ヴェネチアの空港で買ったハム類は動物検疫とやらを通さなければならないとのことで、正直に持っていったら取り上げられてしまいました。買った時に証明書をもらわなきゃいけなかったんだそうです。空港内では、ユーロ内移動の人もいるので、こちらから言わないと証明書をくれないのだそうです。 そんなこと、空港でもお店でも少しも言いもしなきゃ書いてもないのに・・・ヒドイ!
さらに、タックス・リファウンドとかいう、消費税が返ってくるシステムがあるのですが、その手続きが空港を出て列車乗り場の横で、しかも、ハンコ押してもらった書類 をまたイタリアまで送り返さなきゃいけないなんてことがあったり・・・イタリアにいるうちに手続きすませてポストに 放り込んでおけば良かったのだそうです。
どっちもこっちもお役所仕事ばっかりで、飛行機降りてからどれだけウロウロしたことか。 もう通関ゲートでは不機嫌の最高潮で、税関職員もそのままどうぞどうぞとばかりに通してくれたけど・・・ (^^;)
本当に、空港手続きの簡素化、合理化に向けて市民運動を展開したくなります。


ヴェネチアで買ったビスクドール

と、まあ、最後はいろいろありましたが、オペラも2つ見られたし、おいしい物ばかり食べて、友人たちにも会えて楽しい時間を過ごせたし、何より、病気も怪我もたいしたトラブルもなく6泊8日の旅を終えられて、全体として上出来の旅行だったと思います。
オペラファンの中にはちょっと隣の町まで出かけるような気軽さで海外へ出かけて行っちゃう人がけっこういますが、イタリア語もできない、英語もさびついてる、いい年の私たちが全くの個人旅行で行ってこられたのは、私としては驚異的なことでした。行く前は腰の引けていた主人が終始楽しそうにしていたのもとても印象的でした。
友人のサポートとネットの威力がつくづくありがたいです。オペラのチケットだけでなく、ホテルの予約もネットでできる時代、これは利用しない手はありませんね。パック旅行では味わえない、自分好みの自由な旅を楽しめます。パック旅行で日本人の団体さんとして引き回されるのだけはごめんだと思っていたので、今回の旅行で自信をつけて、急に世界が広がったような気がしています。
とはいえ、日本の働き蜂の悲しさ、帰国後1日の休養日を取っても9日間しか休めなかったので、もっとゆっくり見てみたいところが山ほど残ってしまいました。次は移動を少なくして、もっと落ち着いた旅にしたいと考えています。
旅の楽しさは、どこを見に行ったか、何を買ったかではなくて、何を感じたかなのだと思います。それは普段意識することのない自分自身というものの再発見でもあるのですね。その土地の心を感じられるような旅行を、また体験したいと思っています。
ヴェネチアの夕立の中、サン・マルコ広場で買ったビスクドールを眺めては、さあ、次の旅のテーマは何にしようかと考えている私です。


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